映画ごときで人生は変わらない

映画大好き中年主婦KYOROKOの感想と考察が入り混じるレビュー。うっすらネタバレあり。週1〜2回更新中!

【すばらしき世界】ネタバレ感想/EXIT兼近大樹氏のことなど。

 

 基本情報

監督:西川美和

公開年:2021年

キャスト:役所広司(三上正夫)/仲野太賀(津乃田)/長澤まさみ(吉澤)/六角精児(松本)

上映時間:126分

 あらすじ ※公式サイトより引用。長めです

冬の旭川刑務所でひとりの受刑者が刑期を終えた。

 刑務官に見送られてバスに乗ったその男、三上正夫(役所広司)は上京し、身元引受人の弁護士、庄司(橋爪功)とその妻、敦子(梶芽衣子)に迎えられる。

 その頃、テレビの制作会社を辞めたばかりで小説家を志す青年、津乃田(仲野太賀)のもとに、やり手のTVプロデューサー、吉澤(長澤まさみ)から仕事の依頼が届いていた。取材対象は三上。吉澤は前科者の三上が心を入れ替えて社会に復帰し、生き別れた母親と涙ながらに再会するというストーリーを思い描き、感動のドキュメンタリー番組に仕立てたいと考えていた。生活が苦しい津乃田はその依頼を請け負う。しかし、この取材には大きな問題があった。

 三上はまぎれもない“元殺人犯”なのだ。津乃田は表紙に“身分帳”と書かれたノートに目を通した。身分帳とは、刑務所の受刑者の経歴を事細かに記した個人台帳のようなもの。三上が自分の身分帳を書き写したそのノートには、彼の生い立ちや犯罪歴などが几帳面な文字でびっしりと綴られていた。人生の大半を刑務所で過ごしてきた三上の壮絶な過去に、津乃田は嫌な寒気を覚えた。

 後日、津乃田は三上のもとへと訪れる。戦々恐々としていた津乃田だったのだが、元殺人犯らしからぬ人懐こい笑みを浮かべる三上に温かく迎え入れられたことに戸惑いながらも、取材依頼を打診する。三上は取材を受ける代わりに、人捜しの番組で消息不明の母親を見つけてもらうことを望んでいた。

 下町のおんぼろアパートの2階角部屋で、今度こそカタギになると胸に誓った三上の新生活がスタートした。ところが職探しはままならず、ケースワーカーの井口(北村有起哉)や津乃田の助言を受けた三上は、運転手になろうと思い立つ。しかし、服役中に失効した免許証をゼロから取り直さなくてはならないと女性警察官からすげなく告げられ、激高して声を荒げてしまう。

 さらにスーパーマーケットへ買い出しに出かけた三上は、店長の松本(六角精児)から万引きの疑いをかけられ、またも怒りの感情を制御できない悪癖が頭をもたげる。ただ、三上の人間味にもほのかに気付いた松本は一転して、車の免許を取れば仕事を紹介すると三上の背中を押す。やる気満々で教習所に通い始める三上だったが、その運転ぶりは指導教官が呆れるほど荒っぽいものだった。

 その夜、津乃田と吉澤が三上を焼き肉屋へ連れ出す。教習所に通い続ける金もないと嘆く三上に、吉澤が番組の意義を説く。「三上さんが壁にぶつかったり、トラップにかかりながらも更生していく姿を全国放送で流したら、視聴者には新鮮な発見や感動があると思うんです。社会のレールから外れた人が、今ほど生きづらい世の中はないから」。その帰り道、衝撃的な事件が起こる・・・。

 兼近氏のこと・映画の感想・ネタバレ

またEXITの兼近氏の過去が取り沙汰されていますね。詳細はここで言うまでもないと思いますが、ぽつぽつと仕事に影響も出始めているようです。

CMスポンサーはそもそも「イメージ」でタレントを起用しているので、そのイメージが悪くなったらNGを出すのは当然です。ってかそもそも「前科者」を公言している兼近氏。スポンサーが今さら難色を示すというのもおかしな話です。EXITをイメージキャラクターに起用してる企業はむしろ「罪を償って新しい人生を生きていこうとする人」を応援する企業だと思ってましたよ!

あとどうしても許せない!とSNSで本人に突撃している人はぜひこの作品「すばらしき世界」を観て欲しい(つっても観ないと思うけど)。今回の騒動を聞いて真っ先にこの映画を思い出しした映画ファンも多いのではないでしょうか。

23/11/27追記注:兼近氏には芸人になる前に犯罪歴があります。この記事を書いた2023年初頭に世間を騒がせた連続強盗犯・自称「ルフィ」容疑者が当時の犯罪仲間だということで話題になりました。ただ兼近氏が前科持ちであることは吉本興行も知っており、2019年には報道もされています。2023年初頭に比べテレビで兼近氏を観る機会が減ったように思います。この出来事が影響しているわけではなく、売れるのが早すぎた故の芸人としての実力なさのせいと思いたい。…けどどうなんでしょ?

役所広司演じる三上は何度も刑務所に出入りして「今度こそ真人間になるぞ!」とシャバに出てきます。というかムショにいる間に時代が変わってヤクザが生きづらくなり、真人間にならざえるを得ないんですよ。

そんな三上が必死になって溶け込もうとする「真人間の世界」とは一体どんな世界でしょう?罪を償ったのになかなか受け入れてもらえず職につけません。近づいてくるのは興味本位のテレビマン。ラスト近くどうにか介護施設の職を得ますが、陰湿ないじめを目撃してしまいます。持ち前の正義感が湧き、また短気を起こしそうになる三上。でもそれをぐっと抑えて空気を読み、愛想笑いをします。どうです?こんなんが「すばらしきシャバ」ですよ?

あげく、どうにかやっていけるかなという時に心臓の持病で亡くなってしまいます。ラストは三上の死を嘆いてくれるわずかばかりの人々を捉えます。カメラはそのままごちゃごちゃした家々の屋根の隙間から見える空にパンし「すばらしき世界」というタイトルが出てエンド。

今で言う「親ガチャ」に失敗し悪い道に落ちた。短気で怒りっぽいが故にいくつか犯罪を犯した。そのたびに刑務所に入った。でも正義感は強いし初老だけど今から新しいことを覚えてがんばる気力はちゃんとある。ワタシも含めシャバにいる「ふつうの人たち」は三上より立派ですかね?自分がダークサイドに落ちないという保証はないし、落ちた時に三上のように這い上がってこれますかね?

…なんてことを考えさせてくれる映画です。

ここ数日の兼近氏に関する報道やネット上の記事を見てなんだかな〜と思って一気に書いてしまいました。西川美和作品のこと、長澤まさみの良さ、原作について、あとシャバの悪い所ばっかり書きましたが三上の味方になってくれる良い人たちもいます!だから「すばらしき世界」なのです!〜などなど他にもいろいろありますが、それはまたどっかで追記します〜

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